2018年3月2日、5歳11か月の船戸結愛ちゃんが苛烈な虐待により亡くなった。
それから約1年半が過ぎた今日午後3時、母の優里被告に判決が言い渡される。
保護責任者遺棄致死の罪に問われている優里被告。
検察は懲役11年を求刑。弁護側は5年が相当と訴えた。
「普通の親子」と思っていた祖父
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たった5歳11か月の命が、誰にも知られないところで消えてしまった。

香川県で生まれ、東京の目黒区のアパートで命を落とした船戸結愛ちゃん。わたしはこの事件がなぜ起きたのか、そしてなぜ結愛ちゃんを救えなかったのかを知りたいと思い法廷に通った。5日間にわたり法廷で語られた数々の証言から、判決を前にもう一度、結愛ちゃんの、懸命に生きた最期の日々を振り返りたい。結愛ちゃんはどんな子供だったのか。

「結愛ちゃんはニコニコして人なつっこい子で、職員に甘えたり抱っこをせがんだり。甘えるのが好きな女の子でした。結愛ちゃんは長い髪で、手入れされていて、可愛らしい格好をしていました。」香川県での1回目の一時保護の際の担当の児童福祉士が思い出す。
証言台に座った結愛ちゃんの祖父も、結愛ちゃんの残影を追って涙を流した。

「(孫の結愛ちゃんは)気持ちの優しいまじめな子でした。玄関に結愛の靴があったからわたしが(わざと)“あいうえお”で名前を間違えて『ああ』、『やあ』、『うあ』と言うと、『ちがう!ゆあや!』と言うので『美人の可愛いゆあさんかぁ』と。『じーじ』と言ってハグしたり肩車したりしました。」

祖父は結愛ちゃんが児相に保護されたことも知らなかった。車で10分ほどの距離に住んでいた娘の優里被告と結愛ちゃんを「普通の親子」と思っていたと証言した。

「優里がご飯を作ってくれて、結愛がそれをよそって運んでくれて。二人ともまじめで優しかったです。」

東京への引っ越しを控えた2017年12月、優里被告と結愛ちゃん、そして長男の3人は優里被告の実家にひと月ほど身を寄せていた。

「普通の家族のようにクリスマスプレゼントを渡したり、ケーキを食べたりしました。優里は、ひたすら隠し続けたんだと思いますーーー。」


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