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日本による韓国へのホワイト国からの除外、その“しっぺ返し”としての韓国側からの除外、それに文政権の強硬姿勢が相まって、日韓関係は日を追うごとに悪化の一途をたどっている。日本、韓国ともに政府を支持する声が高いことを考えると、これがいま現在の両国の「民意」ということだろう。

さて、そんな状況のなか、空前の活況を呈してきた新大久保コリアンタウンにも僅かずつではあるが、影響があらわれ始めた。周知の通り、新大久保には国内屈指のコリアンタウンがある。具体的に言えば、JR新大久保駅から大久保通りを東に向かい明治通りに至るまでの一帯、さらに南下して職安通りを越え歌舞伎町二丁目の一部まで飲み込む広範な地域がそうだ。

ここ数年は、土日祝日となると、メインの通りは女子高生や若い女性を中心に、グルメやコスメ、韓流グッズなどを求める人の波で渋滞を引き起こすほどであった。そのコリアンタウンを筆者は折に触れてウォッチしているが、前述したようにここ一週間ほどでで微妙な温度差が出ている。

ハットグ(韓国風アメリカンドッグ)や安価でカラフルなコスメを求める層、つまり女子高生や若い女性(とカップル)の客足はさほど止まっているとは思えないが、それらコアな層ではなく、「ブームだから行ってみるか」という一見客の足が止まっている。酷暑の影響もあるだろうから一概には言えないが、見た目少し前に比べると、2割程度は減っているように感じた。そして、そのすぽっと抜け落ちた層が、コアな客以外なのである。

もっとも、JR関係者に聞いたところ、いま現在の新大久保駅の混雑は「特に大きな変化はなく、通常通り」とだという。無論、新大久保駅に降り立つ人すべてがコリアンタウンに行くワケではないので、乗降客の動向だけで判断することはできない。しかし、もしこれが「目に見えて減った」となればそれは大きな観光資源であるコリアンタウンの衰退、とも考えなければいけないだろう。

では、肝心のコリアンタウンの住人たちはどうか? 総じて客商売は世間の動向に敏感なので、デリケートな問題となればなるほど、多くは語らないのが常だ。しかし、この街で韓国料理店を営む、韓国人女性はイラ立ちを隠さずに、こう吐き出した。

「アベさんもムンも、みんなお腹いっぱいだから(私たちのことは)わからない。こっちには関係ない。商売のことで頭がいっぱい!」

偽らざる気持ちではあろう。 ともすると、両国の一部では嫌韓・反日から、憎韓・憎日のような言動も噴出している。当面、新大久保の住人たちにとって、心穏やかではない日々が続くのは間違いないようだ。