20190805-00000004-nna_kyodo-000-1-viewマレーシア統計局が2日に発表した2019年6月の貿易額(速報値)は前年同月比6.0%減の1,420億8,000万リンギ(約3兆6,260億円)だった。輸出額は3.1%減の761億7,000万リンギ、輸入額は9.2%減の659億1,000万リンギ。マレーシアにとって最大の貿易相手国である中国への輸出と輸入が、それぞれ12.0%、12.6%減少したことが響いた。米中貿易摩擦の影響が出た形だ。
貿易収支は102億6,000万リンギの黒字で、黒字幅は前年同月から71.0%拡大した。

6月の輸出額は、分野別で電気・電子(E&E)製品が6.0%減少した一方、原油が31.7%、石油精製品が8.4%それぞれ増加した。国・地域別では、シンガポールが0.9%減の106億リンギで最大。貿易額全体の16.5%を占め、国・地域別最大の中国(本土)が12.0%減の101億リンギ、欧州連合(EU、9.9%)が1.0%増の77億リンギで続いた。

中国(本土)への主要輸出品目のうち、E&E製品(同国向け全体の39.5%)は10.6%減、残渣(ざんさ)石油製品(同1.9%)が70.7%減、銅(合金含む、1.7%)が51.0%減と下落した。
6月の輸入額を財別に見ると、中間財(全体の58.3%)が2.5%減の384億リンギ、資本財(10.9%)が23.6%減の72億リンギ、消費財(8.5%)が5.4%減の56億リンギとなった。国・地域別では、主要国・地域では、中国(本土)のほか、香港も14.3%減と落ち込んだ。

19年第2四半期(4~6月)の貿易統計(速報値)は、輸出額が前年同期比0.2%増の2,455億リンギ、輸入額が1.2%減の2,153億リンギだった。輸出入とも対米国が増加し、対中国が減少した。輸出額は米国向けが17億リンギ増えた一方、中国向けが24億リンギ減った。輸入額は、米国からが19億リンギ増え、中国からが11億リンギ減った。

■日本の対韓規制で3Q輸出減も
エッジ・ファイナンシャル・デーリーによると、マレーシアの格付け会社RAMレーティング・サービシズは1日、6月の輸出額の伸びが、5月(前年同月比2.5%増)から落ち込むと予想していた。6月初旬のイスラム教徒の断食明け大祭(ハリラヤ・プアサ)のほか、「世界貿易の減速がマレーシアにも影響する」と指摘していた。

RAMレーティングは、日本政府が7月初旬に半導体の製造過程などで必要なハイテク素材の韓国向け輸出規制を強化したことがE&E製品のサプライチェーンに影響し、今後、マレーシアを含む東南アジアの輸出の下押し圧力になるとみている。

同社は「メモリーチップをはじめとするE&E製品のグローバルサプライチェーンの混乱により、間接的にマレーシアの輸出に打撃を与える恐れがある。一方で、韓国製部品の生産代替をマレーシアが担う余地もある」と指摘した。

一方、トランプ米大統領が1日、対中制裁の第4弾を9月に発動すると表明したことで、マレーシアの第3四半期(7~9月)の輸出が影響を受けるとの見方も出ている。

ニュー・ストレーツ・タイムズによると、マレーシア産業開発金融(MIDF)系シンクタンクのMIDFリサーチは、第4弾の対中制裁はこれまでよりも大きな影響を世界経済に与えると予測。マレーシアは貿易黒字を維持しているものの、「(6月実績でも)中国(本土)や香港、タイ、シンガポール、日本との貿易は縮小傾向にある」と指摘し、第3四半期の輸出が減速するとの見通しを示した。